2022-01-01から1年間の記事一覧

メモリー、有機的栽培

店長という生き物は、お店に住み着いているのかもしれない。 たたずまい佇まい立たず舞い絶たずまい やはり、事実をそのまま綴ったところで本物には勝てやしないのね、読む側にしたって、本物を見たほうが何倍も良いに決まっているのだから。そうね、果たし…

柔らかいごはんつぶの味

ひかりに透けると、触れたくなる 背の高さに、とくに不満を持ったことはない寧ろ、武器がよく似合うであろうから、お気に入りだけど、手を伸ばせば何だって届いてしまうことを知っているから、涼しい顔をして、好きなものを最初に食べる何にしろ、一口めって…

肌にまとわりつくから

忙しない日々の途中でいとしさを一欠片も失くしてしまわないように下を向いて歩いたとかげを二匹、踏まずに済んだのねこれは今日のはなし きらめくのは知り得ない終わり例えば明日すべてが消えちゃうとして遺したわたしは朧げで自信喪失したきみの今の基盤が…

駅前はいつもすこしだけ涼しい

地元が欲しかったなあ、などと思う。 欲しいものがすぐ手に入るのは便利だけれど、同時にかなり寂しくもあって、いつだって他人との距離は遠かった、くらしの感覚。もどかしい思いや、気合を入れずにゆっくり歩くということ、ちゃんと、骨として形成できたら…

夏ですか

脳裏に焼き付いた黄金虫。湿った地面にひっくり返って手足をじたばた動かしている。小枝ないしは木の葉を拾って彼を掬って、救って、その完璧な映像だけを、悲しいかな、鮮明に見た。その瞬間の身体はというと、あまりに無力だった。踏み潰さないように、そ…

くたばれ、ラブリーに

あの子は、悲しくなくても泣いていた。 たくさん水を飲むから。 わたしは、 失うものも、欲しいものも、なあんにもなかったもんな、特別な人に特別だと言ってしまえないのが、かなりもどかしくて鬱陶しいけれど、それがもう特別ってことなんだろうな〜。 か…